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簡易ミクロトームの試作

顕微鏡の試料として、切片を作製しなければならない場合には、ミクロトームと呼ばれる装置が使用されます。電子顕微鏡の試料の場合は、厚さが、50〜100nmの切片が必要です。光学顕微鏡の場合は、2〜10ミクロンの切片が必要です。右の写真は、電子顕微鏡用に使われる、「ウルトラミクロトーム」と呼ばれる装置です。700万円くらいの値段です。光学顕微鏡用の「ミクロトーム」でも100〜200万円くらいです。

子どもクラブなどでは、そんな高価な装置は使えませんし、携帯することも面倒なので、小型の「簡易ミクロトーム」と呼ばれる「道具」が使われているようです。小学校などでは、某メーカーの市販の装置を「必需品」として購入しているようですが、多くの意識ある先生方は、子ども一人一人が自由に使えるように、手作りの装置を製作されているようです。海外のサイトを見ると、1万円くらいで市販されています。日本では、なぜ値段が高いのでしょう....。
   

ウエブのいくつかの記事を参考にさせていただいて、「簡易ミクロトーム」を試作してみました。

   
1.準備する材料
 
ステンレス製ボルト(6mm)    
長いナット(6mm)
 
アクリル板
   
テフロン棒(5mm)
   
接着剤(金属・アクリル板の接着できるもの)
   
2.作り方
   
   

作り方は、とても簡単なので説明の必要はないと思います。完成写真を見て組み立ててみてください。ネジとアクリル板などとの接着には、エポキシ系の接着剤(2液混合タイプ)を使いましたが、瞬間接着剤でも良いと思います。アクリル板の下の白い円形のものは、スポンジです。手で持つときにクッションになりますが、これはなくても構いません。

   
3.使い方    
     
使い方は、皆さんが使われているものと同じです。試料を埋め込んで切片作製時の試料の変形や移動を防ぐ材料は、「簡易ミクロトーム」の場合は、「ピス」と呼ぶようですが、「ニワトコ」の髄は、なかなか入手できません。発泡スチロールの棒は「東急ハウンズ」にはあるようですが、「田舎」では、なかなか見つかりません。そこで、私は、「パラフィルム」と呼ばれる、フィルムに試料を包み込んで、「簡易ミクロトーム」の穴に差し込んで、切片を作製してみました。
     
 
ヒマラヤすぎの葉   パラフィルム
     
 
パラフィルムをしっかりと巻き付ける   簡易ミクロトームに入る長さに切る
     
 
簡易ミクロトームにセットする   両刃のカミソリ
     
 
面出しをする   ネジを少しだけ時計方向に回してカミソリで切片を作る
     
   
切片を水に浮かべて、パラフィルムをピンセットなどを使って取り除く    
     
   
直径3mmの小さいものも作ってみました。